美容室ルクリック
市川ヨシアキ
美容師を始めて17年になります。 銀座と東京スカイツリーの店舗を行き来してマネージメントの仕事をしています。
家には13年付き合った奥さんと、去年生まれた子供がいます。おかげ様で私生活も充実していて、幸せに暮らしています。
★美容師になったきっかけ★
実はもともと美容師が大嫌いでした。美容師の仕事はとても辛くて嫌でした。
高校3年生の時。美容室に行って、若い美容師にシャンプーをしてもらっていた時に、「市川さんは将来なにやるんですか?」と聞かれたので、「まだ何も考えていないです。」と答えると、「美容師やればいいじゃん。美容師なら誰でもできるよ。モテるよ。」と言われました。
その「モテるよ」の言葉で、シャンプー上がった瞬間に美容師になることを決めていました。
そんなきっかけで美容師になって、最初に入ったサロンがルクリックという今のサロンです。
「スタイリストのやりがい、美容師のやりがい」についてお話くださいます。
辛い、大変、嫌になった、という経験は美容師さんなら誰しも経験しているのではないでしょうか。
市川さんが、そこを超えられた理由は、一人の先輩の存在だったようです。先輩から聞いた経験談から仕事の素晴らしさを実感し、美容師生活に活かしているようです。
ずっと応援してくれた先輩
美容師になってサロンに入ったころ、このサロンはバリバリ頑張る美容室で、朝晩練習して、毎日毎日とにかく「頑張れ頑張れ」という雰囲気だったので、すぐに嫌になってしました。
その時に応援してくれた人が、伊藤さんという一つ上の先輩です。金髪でぐるぐるパーマで、とても笑顔が良くて、妖精のような人。とても純粋な人です。
「市川くん、頑張ろう!頑張ろう!」と日々言ってくれました。
ある日、その人に、嫌になって爆発してしまい、「伊藤さん、なんでそんなに頑張るんですか?美容師なんか、見た目を綺麗にするだけじゃないですか」と言ったことがありました。
伊藤さんは、「そうだよね。市川くんはそう思うんだ。でもがんばろう。」と怒らないで言ってくれました。そのおかげで続けられましたが、それでも週に7,8回は辞めたいと思っていました。
打ち上げで話してくれた先輩の実体験
ある日、ヘアショーの打ち上げでモデルやサロンのスタッフと焼肉屋さんに言った時、伊藤さんがニコニコしながら来て、「市川くん、話したいことがあるのだけど」と話を始めてくれました。
先日、伊藤さんはあるお客様を担当しました。そのお客様は、入り口から暗い顔をして入ってきて元気がなかったそうです。
理由を聞いてみたら、抗癌剤治療で髪が抜けてしまうため、長い髪を短くしてほしいと言われました。
とにかく短くなればいいというご要望でしたが、伊藤さんはすごく頑張って、自分の中でも最高にかわいいと思えるショートカットにしてあげたところ、カットの終わり際に「ありがとうございます」と言いながらボロボロ泣き出したそうです。
「家族と会っても友達と会っても、何をしても笑えませんでした。だけど私は久しぶりに笑えました。ありがとうございます。」と言われたそうです。その話が終わったあと、伊藤さんに
「市川くん、あなたはいつも言い訳ばかりでがんばらないで、見た目だけとかいろんなことを言うけど、私はハサミ一本で一生懸命やったら人を幸せにできました。あなたにそれができますか?」
と目を見て言われました。
その瞬間、言い訳とか、楽をしたいという思いなどが全て飛ばされ、自分が選んだ美容師という仕事はこんなに素晴らしい仕事だったのだと初めて気付かされました。
そんなに素晴らしい仕事なら僕もやってやろう、いつか誰か一人でもいいからそんな想いにさせようと思いました。
その時のそのきっかけ一つでここまで頑張ってきました。
一つ一つ頑張ることで、公私共に充実してきて、幸せになれました。
自分の手だけで人を幸せにできるお仕事
美容師という仕事は、自分の手だけで人を幸せにできる仕事です。
とても辛いですし、嫌なことがありますが、それは当然です。
なぜなら人を幸せにできる力を持てるからです。
どんなに辛くなっても、諦めずに最後まで頑張って欲しいと思います。
美容師という仕事はとても素晴らしい仕事です。
みなさんこれから一緒に美容師を楽しんでいきましょう。
美容師という仕事に誇りを持たれていることが伝わってくるお話です。
これから美容師を目指している方、または今美容師という仕事に疑問を持っている方、参考にしてみてはいかがでしょうか。
また、一緒に働いているスタッフに悩んでいる美容師さんがいたら、先輩やオーナーから、自分の印象的な経験を話してあげることも、良い経験になるかもしれません。